素晴らしき哉、日本野球!

第一回WBC勝戦、日本が10-6でキューバを破り、初代王者の栄冠を勝ち取った。
確かに内容は準決勝の方が素晴らしかった。エラーやミスもあった。でも、それが野球なんだ。かつてPL学園の監督だった中村順司氏は「野球は人生の縮図」と言った。ピンチがあれば、チャンスもある。チーム全員でピンチを乗り越え、チャンスを生かす、エラーしたって、次のチャンスで取り戻せば良い。 そうやってチームは強くなる。

愛ちゃんがこの試合を観てくれたら野球の素晴らしさが伝わる筈なんだけど・・

大会を通して、「日本代表」が本当の「チーム」になったのは、二次リーグでメキシコがアメリカに勝った瞬間だと思う。最近よく言われる「スモールベースボール」とかく、バントやエンドランや盗塁など小技を駆使した戦術だと曲解されがちだが、本来は「選手がその状況に応じたプレーを考え実行する戦術」だそうだ。だから4番打者が一発逆転の場面でホームランを狙うのも「スモールベースボール」の一環だ。
準決勝から打順を変えてきた日本。が、それに対応出来る選手が揃っていた。
勝戦。押し出し、犠牲フライ等一見地味だが、着実に点を積み上げ、素晴らしいランニング、スライディングで勢いをつけた。エラーやミスもちゃんと取り戻した。それこそが、「スモールベースボール」いや、「日本野球」の素晴らしさ。何より上原、松坂、渡辺の先発三本柱の抜群の安定感が最大の勝因。ホントにこのチームでメジャーに挑戦して欲しいよ。


キューバもさすがだった。何点差があっても恐ろしい執念で追いすがってきた。そんなチームに勝って「世界一」だ、誇りを持とう!

この大会一番感動したのが、メキシコのアメリカ戦での戦いぶり。消化試合だなんて、失礼な事言ってごめんなさい。国を代表して戦う試合に負けていい試合なんてある訳が無い。堂々としたアメリカ戦勝利に乾杯!



王監督、見事な采配でした。選手を最大限に尊重した起用方。立ち振る舞いに選手達も「監督を胴上げする」と一つになった。
イチローはやっぱり凄い選手だ。メジャーリーガーとしての存在感が日本代表のステータスを高めた。味方にとっても相手にとっても特別な存在だった。イチローが居なければ優勝は無かった。


色々問題があったけれど、日本の優勝が全てを吹き飛ばしてしまった。まあ、そこらはしっかりと検証しないとあかんけど。
しかし、壮大なドラマやったな・・皮肉にも二次リーグでの戦いぶりが注目を集める要因になってしまった。果たして日本が圧倒的に勝ち抜いたらここまで関心が集まったかどうか。ドラマが好きな国民だからね・・日本にとっては上手い具合に負けたなって感じ。こういう大会を勝ちっ放しで行くのは難しいし、地獄の底から這い上がって一気にチームとしての気運、ピークが終盤に来た。3敗の日本が1敗の韓国を上回ったけど、それがトーナメントだからね。

そして最高のタイミングで今週末からセンバツパ・リーグが開幕する。確かに代表選手達は最初は活躍出来ないかも知れない。でもいいじゃない、最大級の賛辞と拍手を送ってあげよう。世界一の選手達がプレーする日本野球って最高じゃない!