名将逝く

西本幸雄さんが亡くなった。91歳という事で、私が物心ついた頃には、プロ野球ニュースや解説で辛口なコメントを言うおじいちゃんと言う印象だが、その経歴は球史に刻まれるもの。

名門和歌山中(旧制)で左利きの二塁手として活躍(逆モーションになるから、絶対ゲッツーやりにくかっただろうなあ。)。

立教大に進んで長嶋さんの先輩。

プロに進んで選手としては活躍出来なかったが、監督として、大毎オリオンズ(山内一弘榎本喜八はじめ「ミサイル打線」と呼ばれた)を率いて圧倒的な戦力でパ・リーグを制し、日本シリーズへ。相手は「魔術師」「知将」三原脩率いる大洋ホエールズ。戦前の予想では、オリオンズ圧倒的有利。丁度、今年のシリーズのような感じだったのかな?
しかし、三原監督のマジックに嵌まったのか、まさかの4連敗で敗退。第2戦でスクイズを失敗したのがワンマンオーナーの永田雅一氏の逆鱗に触れ、就任一年目で優勝したのに解任されてしまう。

その後、阪急ブレーブスでで福本、加藤、山田を育てて5度パ・リーグを制するも、ジャイアンツV9時代の全盛期にことごとく跳ね返された。山田が王に逆転サヨナラスリーランを浴びたシーンが印象的。

さらに近鉄バファローズを率いてカープと二年連続で戦う。共に嘗てリーグのお荷物球団と呼ばれたチームの戦いは79年の第7戦(当時本拠地にしていた日生、藤井寺球場は設備の不具合で日本シリーズで使用出来ずにホークスの本拠地だった大阪球場で開催。幸い近鉄ターミナル駅だった難波が最寄りだったので、本社としては良かった?)までもつれ込み、9回裏あの「江夏の21球」で敗れ去る。特に石渡がスクイズ失敗した直後にテレビカメラに抜かれた表情が呆然というか、奇しくもまた「スクイズ失敗」で日本一を逃し、結局八回も日本シリーズに出場して一度も優勝出来なかったのは「悲運」という他無い。

教え子の有田さんがタイガースのヘッドコーチとして入閣。是非とも優勝、日本一を達成して欲しい。