熱闘甲子園

行って来ました。いやあ、凄かった。こんな試合、観た事無い。人智を超えたものって存在するんだなあ。

12時半頃現着。既に入場券は売切れで、無料で入れる外野席のライトスタンドへ。どちらを応援するでも無かったんですが。


一回裏、中京大中京の4番、堂林が右中間スタンドへの2ランホームランで先制。しかし、日本文理が二回、三回と1点ずつ返して同点。その後は両チームピンチ、チャンスを繰り返すが、守備が素晴らしく得点が入らない。
六回裏、それまで耐えていた日本文理エース伊藤が制球を乱し、守備も乱れ、二死満塁で打席には堂林。強烈に引っ張った打球が三遊間を破り2点を勝ち越し。更に柴田の3ランタイムリーもあり一挙6点。これで決定的かと思われたが、最終回にドラマが。


最終回、中京のマウンドには六回途中にピンチを招いて外野に退いていた堂林が再び立つ。「最後は堂林で」期待に応えて簡単に二者を討ち取り、あと一人。が、ここからが簡単に行かない。日本文理の各打者の粘り、想いが篭った打席。際どい球をファールで逃げ、見送り、後ろへ繋いでいく。イージーなサードフライを見失うなど考えられないプレーも飛び出して、気が付けば点差が5点、4点、2点・・得点が入る度に湧き上がる歓声、どよめき。中京も堪らず投手交代。「もしかして」信じられないような奇跡の予感が・・盛り上がる一塁側、静まり返る三塁側も含めて球場全体に走る。代打石塚のタイムリーで遂に一点差、尚も一三塁。大甲子園が揺れる。もはや誰にも止められない圧倒的な流れの中で若林の打球も痛烈、「抜けた」「同点、いや逆転か・・」と打球の行方を追おうとした次の瞬間、ボールは三塁手河合のグラブに納まっていた。

試合は終わった。が、鳴り止まない拍手とスタンディングオベーション。もう勝敗でもどうでもよい。目の前で繰り広げられた素晴らしい試合に私も鳥肌が立ち、心が震えた。9回6点差、二死無走者からの猛反撃。勝敗を越えたものがそこにはあった。

表彰式、場内一周。気が付けば、試合開始直後は太陽が照り付けていたスタンドには影が伸び、体に感じる風は秋の匂いだった。夏ももう終わりなんだなあ。試合後のインタビュー、最後のマウンドを守れずに泣きじゃくる堂林とそれを包み込むような能天気?とも思える程の笑顔のキャプテンが対照的で微笑ましかった。









試合後は恒例のダイエー甲子園前店前での西浦達雄さんのミニライブ。試合の高揚感、余韻も手伝って聴き入っている人や感動が甦っている人だかりが凄かったですね。