ジャパンの誇り

ラグビーワールドカップ一次リーグ、既に敗退が決まっている日本の最終戦となるカナダ戦。眠い目を擦りながら観ていました。カナダも予選敗退が決まっているため、形としては消化試合になってしまったが、国と国を代表して戦う試合でそういう雰囲気はありえない。日本も持ち前の低く速いタックルと気持ちの篭ったプレーで互角に渡り合った。実力伯仲で一進一退の攻防が続く。前半、WTB遠藤がフィジカルの強さを生かして見事なトライを決めたが、それ以降はカナダがFWの強さを生かして日本のゴール前で釘付け状態。それでも何とか踏ん張って5-0のまま後半へ。
しかし、流れは変わらず、カナダが2T1Gを決めて5-12と逆転。そのまま時間が進み、また負けるのかと暗い気持ちだったが、交代で入った選手達が流れを変え、終了間際に連続攻撃でカナダゴール前に迫る。あのフィジー戦と同じ様に観衆の声援を味方に付け、右へ左へボールを回してトライを狙う。そして、ロスタイム、中々防御ラインを破れないと見て、キックパスをゴールエリアへ。転々としたボールを追うものの、弾き出されて万事休す―――と思ったら、何とビデオ判定で日本にペナルティが与えられる。
ホントに最後の1プレイ。この4年間の全てを懸けた攻撃で、センター平が見事なトライで2点差。そして運命のコンバージョン。決まれば同点、外せば負けるというキックを蹴るのは大西、難しい角度からのキックでホントにプレッシャーだっと思う。何せ、日本のラグビーに関わる全ての人の思いが込められているのだから。
長い集中の後、右足から放たれた楕円球は真っ直ぐにポールの間を通過した。同点に追い付いたところでノーサイド。勝てなかったけれど負けなかった。これまで、途中まで頑張っていても、最後に力尽きるパターンだった日本が最後まで折れずに追い付いた。これだけで、成長が分かる。そして、準備期間が短くて尚且つ怪我人が相次ぐ中で、ここまで導いてくれたJKに対して感謝です。そして誇りを持って戦った選手達にも賞賛を惜しみません。この4戦はホントに楽しませて貰いました。ただ、チームを構築するには年月が必要。ここから次回に向けての戦いは既に始まっているのです。帰国してからは、トップリーグが開幕します。今回ジャパンに選ばれなかった選手達もきっと素晴らしいプレーを見せてくれるでしょう。いつにも増して熱いシーズンになりそうです。