北の大地に覇権翻る!

ファイターズ日本一おめでとう!今日も素晴らしい戦いぶりだった。一点先制されても金子のスクイズで同点、6回は先頭の田中がヒットと盗塁、小笠原のファーストゴロで三塁に進み、セギノールがインハイを芸術的な打撃でライトスタンドに押し込み勝ち越し。8回は稲葉が優勝を、MVPを手繰り寄せる一発。小技、大技を織り交ぜる美しい攻撃だった。
去年までのファイターズは三振が多くて、犠打が少ないとても粗い野球だったけれど、ヒルマン監督が二年間かけて出塁率を高める指導をしてきたのが奏功した。それに森本、田中という1、2番が上手くハマった。そしてダルビッシュ、八木の活躍。開幕前の予想では投手力が課題だったけれど、それを吹っ飛ばす躍進ぶりだった。そして岡島。武田久マイケル中村ブルペン陣も素晴らしかった。選手全員がMVPに相応しい活躍だった。
何より札幌ドームの雰囲気。熱狂というよりは、温かく選手を包み込むあの感じがファイターズというチームにぴったり合ったんじゃないかなあ。札幌でのファイターズはまさに無敵だった。優勝するチームに感じる「圧倒的で感動的なチーム力」は選手だけでなく、スタッフ、ファンや北海道の人々が作り出した偉大なものだった。

新庄は本当に幸せな人だ。だって現役の最後を日本一で、胴上げされて終える選手なんていないですよ?今年のファイターズの躍進は新庄なしではありえなかった。新庄がファンを動かし、ファンが後押ししてチームを支えたのだから。確かに成績は大したものではないかも知れない。でも新庄を生で観た人ならば誰もが「何て楽しそうに野球をするんだろう」と思うくらい、野球を愛し、プレーする人だった。
その姿に触発されたファンが、選手がファイターズを変えていった。新庄が蒔いた種は見事に花開いた。花はやがて枯れて散るけれども、また来年違う色の花が札幌の大地を彩るに違いない。

一方のドラゴンズはシーズン中のきめ細かい野球が全く陰を潜めてしまった。完全に札幌の勢いに飲まれてしまった。シリーズの流れを変えるラッキーボーイも出現せず。こういうチームは短期決戦には向かないのかなあ。もし、タイガースが9月の勢いのまま戦っていれば・・と思わないでもないが、それは来年のお楽しみ。

ジャイアンツ戦の視聴率が低下して野球人気も低下したと思われがちだが、とんでもない。ジャイアンツに一本被りだったのが、各チームに分散しただけであって、現場の雰囲気はかつて無いほど盛り上がっている。かつて人気のセ、実力のパと言われたが、今や北から南までフランチャイズが分散しているパ・リーグの方が集客力は大きいと感じる。さらにパ・リーグは03年のホークスからライオンズ、マリーンズ、ファイターズと違うチームで日本シリーズ4連勝。一方セ・リーグはタイガースとドラゴンズが交互に挑んで敗退。
来年からポストシーズンの方式が変更になってセ・リーグが巻き返すのか注目だな。